REPORT

2024.12.10

【イベントレポート】旅する“Sea” 「オフィス・働き方相談所~人材獲得のためのオフィスづくり編~」を開催しました

優秀な人材の確保や人財育成は、多くの企業が共通して抱える課題感です。さらに、今や多くの学生が会社選びにおいて「オフィス環境」を重視しているというアンケート結果も出ています。今回はなんと、実際に就職活動を終えた/これから就職活動を控える現役大学生がパネラーとして登壇。「どんなオフィスだったら働いてみたい?」「そもそも出社したいと思う?」などの質問で、リクルーティング目線でのオフィスづくりを深堀りした当日の様子をお届けします!(2024年12月10日開催)

働く環境を変え、働き方を変え、生き方を変えることをテーマに掲げるWORK MILL(ワークミル)プロジェクトでは、「はたらく」の多様な可能性を探るイベントを開催しています。今回は人気シリーズの第3弾!働き方が多様となった現代ではオフィスの価値を改めて問われるようになりました。オフィスづくりや働き方に関して、日々向き合い続けているオカムラの現役営業社員が、毎回テーマを取り上げてオフィスづくりを具体的に紹介しています。

今回のテーマは「人材獲得のためのオフィスづくり」です。優秀な人材の確保や人財育成は、多くの企業が抱える課題です。さらに、今や多くの学生が会社選びにおいて「オフィス環境」を重視しているというアンケート結果も出ています。今回は現役大学生4名をパネルゲストに迎え、「どんなオフィスだったら働いてみたい?」「そもそも出社したいと思う?」など、学生のリアルな意見とともにオフィスづくりについてリクルーティング目線で考えるイベントを開催しました。

ラーニング・コモンズな学習環境に慣れている現代の学生

司会進行をつとめるWORK MILLの宮野さん。当日はオカムラCO-Do LABOでイベントを開催しほぼ満席に。

イベント冒頭では、オカムラでスペースデザインを担当している浦口昂久さんから「リクルーティング目線でのオフィス作りのポイント」について実際の企業事例や学生の調査結果も含めて詳しくお話を伺いました。

国内の大学の7割程度がラーニング・コモンズ(アクティブ・ラーニング・スペース)と言われる大学内の学習支援施設を充実させています。自習・グループ学習用など用途に応じた家具・設備を用意し、情報通信環境も整備した、開放的且つ先進的な学習環境が整備されているため、就職活動でもお洒落で先進的なオフィス空間が用意されていることは当たり前と感じている学生が多いです。」と浦口さんは話します。

また、オカムラが実施したアンケートでは、就職先の会社を選ぶ際にオフィス環境を重視したという学生は8割程で、実際にオフィス環境について情報収集をしたという学生は7割と、学生がオフィス環境を重視していることが分かります。就職活動の中でオフィス見学をした学生は会社に対して印象が良くなったと回答した人が半数を超え、良くなった理由として「オフィスがきれいで働きやすい様子は、社内環境の良さや働き方への意識が進んでいるかを測る指標となった」、「社員を大事にしている会社であると感じられた」、「社員がイキイキと働いている様子をみて、ここで働きたいという気持ちが高まった」などの回答が挙げられました。一方で、印象が悪くなったという理由では「オフィスが静かで活気のなさが不安になった」、「昔ながらで狭い印象、植栽など何もなく窮屈な印象」、「トイレ、休憩室など作業空間以外の場所に力を入れていない」などの回答が挙げられ、活気のなさや整理されていない乱雑なオフィスはネガティブな印象を与える可能性が高いと考えられます

洗練された学習環境で学んできた学生にとって、働く環境もまた同じレベルで充実していることが当たり前の前提となっている。

浦口さんはSNSやインターネットで公開されているオフィスの様子だけではなく、普段の働いているリアルな様子を、学生たちは求めていると話します。実際にそうしたオフィスづくりを意識した企業事例を紹介。オフィスはエントランスから社内が見えるようになっており社員の皆さんが働く様子が見えるよう設計されてます。内部も間仕切りを極力使用せず、開放感のある空間に。必要に応じてカーテンで仕切ったり、会議室の扉のガラスを目隠し用に曇らせるなど柔軟な設計をされています。また、学生のアンケートでもネガティブな印象に繋がるとして回答のあった雑多感に対しても、配線を隠す設計を取り入れたり、ロッカー収納などの運用も取り入れ、学生がここで働きたいと感じてもらえるような仕掛けがされています。

人材獲得のためのオフィスづくりについて話す浦口さん

現役大学生にぶっちゃけ質問!理想の出社頻度は?就職先選定は何を重視?

イベント当日は現役大学生の4名がパネリストとして登壇し、オフィスや就職先に対する考えを赤裸々に回答してくれました。

まず「理想の出社ペースは?」という質問に対し、3人は週4日出社したいと回答。理由として「3連休あれば旅行もしやすい」、「あまり出社しないと働いている意識が曖昧になりそうで不安。実際にインターン企業でも一緒に働くことで社員の方の人柄を知り話しやすくなったので、積極的に出社したい」と答えます。一方、出社は週2回で良いと回答した方は「仕事に慣れてきて、個人でできる作業とチームで会話しなければならない時間が分けられるようになれば週2日出社ぐらいがちょうど良い。ワーケーションなど自由に働ける環境を重視したい」と答えてくれました。

WORK MILLの宮野さんは「自宅だとなかなか仕事が捗らないという人が多いと思います。実際に私も週5日出社をしていますが、マネジメントする側の意見としてはどうですか?」と浦口さんへ質問。浦口さんは「メンバーが働きやすくなる点では在宅勤務のメリットを感じます。課題をあげるとすれば適切なケアが行き届かない恐れがある点でしょうか。同じ場にいれば、様子や表情をみて困っていたり焦っている時には声をかけてサポートができますが、離れてしまうと難しい場面もあります」と答えました。

週4日出社と回答した学生が多数。旅行など休日もしっかり充実させることで、仕事に対してもメリハリをもって取り組めそう。

続いて「就職先に求める条件」を<やりたいこと>、<社風>、<安定性>、<オフィス環境>から優先順で回答してもらいました。なんと4人全員に共通し、最も重視する項目に<やりたいこと>を選択。あまり重視しない項目として<安定性>を選択した人が多数となりました。学生からは「就職活動ではやりがいを重視し、企業訪問した際には、どんな人がどんなやりがいを持って働いているかをチェックするようにしています」という意見や「社風という言葉がぴんとこない。会社情報に書かれている社風に関するテキストを読むよりも、オフィスを見ることで社風というものが把握できると思います」と答えました。

若手の内からやりたいことにチャレンジできるか、給与や安定性よりも「やりがい」や「成長」を重視

イベントの後半では、昨年4月にオカムラ社内で開催した、若手社員とベテラン社員間で本音を語り合う覆面座談会「真剣しゃべり場~覆面討論!世代間のギャップの本音に迫る~」について紹介し、参加者のみなさんと意見を交わしました。例えば、業務時間外における飲みニケーションは必要か?というテーマに対して、パネリストの唐澤さんは「私は社内での飲み会は好きですね。一緒に働く上司や同僚のことをもっと知りたい気持ちがあるので、誘われたら喜んで参加しちゃいます。」と話します。中山さんは「若手社員の頃を思い返すと、しぶしぶ連いて行った飲み会でも意外と楽しかったり、相手との関係性を構築できたりした経験はあります。でも若手社員が憂鬱になる気持ちもよくわかる。上司に言われると断りづらいし、緊張しますよね。」と話しました。飲み会問題を解決する1つのアイディアとして、オフィスにコミュニケーションスペースを設けるという考え方があり、参加者の中にも実際にオフィスにそういったスペースがあることで、世代を超えたコミュニケーションが実現できていると手を挙げる方が多数いらっしゃいました。

この覆面座談会は、「若者」「ベテラン」と一括りにするのではなく、若者にもベテランにも多様な考えを持った人がいて、「その人」と向き合うコミュニケーションが必要なのだとみんなが気づくきっかけとなったそう。

今回のイベントにおいても、「『学生が求めるオフィス』に対する明確な唯一の解答は存在しないですね。一人ひとりが異なる価値観を持ち、それぞれに企業や職場環境に求めるものが異なっていることがよくわかって『学生』という単語だけでは捉えきれない多様性があることを、改めて実感しました。また、だからこそ、オフィスづくりに携わる企業側が「なぜこの空間を作るのか」「その空間でどのように働いてほしいのか」という意図を明確にし、言語化して伝えることの重要性も見えてきました。いわゆる“見た目だけ”の空間ではなく、本質的なメッセージが伴ったオフィスを作っていきたいですね。」とファシリテーターの宮野さんは締めくくりました。

若手社員とベテラン社員間のギャップに対して登壇者と参加者とで意見を交わす様子。
イベント終了後は参加者同士で名刺交換をしたりと、ネットワーキングで盛り上がっていました。

人材獲得という視点でオフィスづくりを考えた際に、学生や外部の方に対してオープンな職場であることが大事というお話を受けて、オープンにしているからこそ風通し良く、意見交換も活発な会社になっていくことで、学生が働きたいと感じる職場環境にも変わっていくように感じました。また、イベント中、パネリストの唐澤さんの上司の方が、唐澤さんを温かい目で見守っていらっしゃる様子を拝見し、まさにイベント中に言われていた「実際にはたらく人の様子を見ることで、企業のリアルな社風が把握できる」ということを感じました。

WORK MILLでは「はたらく」の多様な可能性を探るべく、今後もあらゆるイベントを開催していきます。気になるイベントがあればぜひご参加ください。(編集後記:赤星昭江)

 

テキスト:赤星 昭江
写真:株式会社ATOMica、株式会社オカムラ

 

 

- 登壇者

浦口 昂久

株式会社オカムラ 働き方コンサルティング事業部
スペースデザイン部 第二デザインセンター

伝統が根付く街、金沢で建築を学んだ後、オカムラへ入社。外資系企業、アパレル、IT、メーカーなど様々な業態のプロジェクトを牽引しました。金沢で建築を学んだ背景から、伝統や歴史的文脈を大切にしています。企業様がもつ伝統や歴史を大切に、対話を重ねながら、お客様に寄り添ったオフィスデザインを心がけています。

中山 裕士

株式会社オカムラ 首都圏営業本部 中央支店

オカムラ1踊れる男。厳しい営業の仕事の中でも常にダンサー精神を忘れず、独特の動きでみんなを和ませる。関西人としてゲストに鋭いツッコミを入れながら、みなさんの疑問を晴らしていきます。

唐澤 菜々子

株式会社オカムラ 首都圏営業本部 赤坂支店

赤坂支店が誇るコミュニケーションクイーン。ひとたび関われば、誰もが彼女のファンになってしまう。当日はにこにこ笑顔と渾身のボケで会場の空気をいただきます。

宮野 玖瑠実

株式会社オカムラ 働き方コンサルティング事業部
ワークデザイン統括部 WORK MILL統括センター

北海道札幌市生まれ。大学で国際公共政策を学び、2021年株式会社オカムラに入社。設計事務所やゼネコンへの提案営業を経て、2023年8月にWORK MILL統括センターへ異動。Open Innovation Biotope ”Sea”での共創活動やイベント企画運営に携わる。
(左上)根津寛大さん/法政大学キャリアデザイン学部4年・(右上)山下葵さん/立教大学経営学部3年・(左下)森さやかさん/立教大学経営学部2年・(右下)平田菜々花さん/宇都宮大学大学院地域創成科学研究科2年 ※2024年12月時点
【イベント概要】
オフィス・働き方相談所~人材獲得のためのオフィスづくり編~
開催日時:2024年12月10日(水)15:30~17:00
開催会場:株式会社オカムラ CO-Do LABO(東京都港区赤坂1-8-1 赤坂インターシティAIR13階)

今回のイベント会場「CO-Do LABO」とは?

東京都港区赤坂のラボオフィス「CO-DO LABO」は「社内共創」がテーマです。2024年9月のリニューアルオープンを機に新しく社内共創空間を設置。チームで生み出す成果を最大化するために最適な環境や場所を選んで働く働き方TBW(Team Based Working)を基本とし、グループアドレスなどの運用や社内共創空間、部専用の拠り所となる「BUSHITSU(部室)」などのさまざまな共創を促す場により、個と個、チームとチーム、部門と部門、事業部と事業部、それぞれの単位で新たな価値の創出を目指します。そして、新たな交流が生み出す、チャレンジングな組織文化の醸成につなげます。

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